Figmaには無料プランからエンタープライズ向けまで複数のプランが用意されていますが、
それぞれ「何ができるか」を正確に把握していますか?
この記事では、Webデザイナー視点で「実務で使えるかどうか」に重点を置きながら、
各プランの機能と制限を徹底比較します。
Figmaのプラン構成:主要4プラン

Figmaのプランは、大きく分けてスターター、プロフェッショナル、ビジネス、エンタープライズの4つが存在します。
それぞれのプランが、どのようなWebデザイナーやチームに適しているのか、具体的に見ていきましょう。
スタータープラン:
Figmaを始めるならここから(無料)

こんなWebデザイナーにおすすめ
- Figmaに初めて触れる方、学習目的の方
- 個人のポートフォリオ作成や趣味のデザイン
- まだ共同作業の必要がない、ごく小規模なプロジェクト
スタータープランは、その名の通り「無料」でFigmaを始めるための入り口です。
費用を気にせずFigmaの基本的な操作やデザインフローを学ぶには最適でしょう。個人でサクッとアイデアを形にしたい時にも十分活躍してくれます。

このプランのココがポイント!
- 無制限の個人用ドラフトファイル: アイデア出しや個人的な実験の場として、無限にファイルを作成できます。
- 共同編集可能なFigmaデザインファイルとFigJamファイルがそれぞれ3つまで: 少人数の簡単な共同作業や、初期のブレインストーミングには使えます。ただし、同時に進められるプロジェクト数には限りがあるので注意が必要です。
- 各ファイル3ページまで: 1つのファイル内でデザインできるページ数が限られているため、大規模なWebサイトデザインには向いていません。
- 基本的なエディター、プラグイン、ウィジェットは利用可能: Figmaの核となるデザイン機能や、作業効率を高めるツール類は使えます。
デザイナー視点での使い方ヒント:
まずはスタータープランでFigmaの操作感やできることを体験してみるのがおすすめです。
本格的なクライアントワークやチームでのデザイン業務に移る際には、機能的な制限を感じ始めるはずなので、そのタイミングで上位プランを検討すると良いでしょう。
プロフェッショナルプラン:
チームWebデザインの標準装備(有料)

こんなWebデザイナーにおすすめ:
- 複数のデザイナーや開発者とチームでWebプロジェクトを進める方
- デザインシステムを構築・運用し、効率化を図りたい方
- 多くのWebページやUIコンポーネントを管理する必要がある方
- クライアントとの連携をスムーズに、かつ安全に行いたい方
チームでWebデザインプロジェクトに取り組むなら、プロフェッショナルプランは事実上の標準となるでしょう。
スタータープランの制限が大幅に緩和され、チーム全体の生産性を格段に向上させる機能が追加されます。

このプランのココがポイント!
- 無制限のFigmaファイルとFigJamファイル: プロジェクト数やファイル数の制限がなくなるため、複数のWebサイト案件やUI制作を並行して進められます。
- チームライブラリ: これがWebデザイナーにとっての最大の恩恵と言えるでしょう。共通のUIコンポーネントやスタイルをライブラリとして一元管理できるため、デザインの一貫性を保ちつつ、作業効率を劇的に向上させます。デザインシステムを運用するには必須の機能です。
- 高度なプロトタイピング機能: ユーザーテストやクライアントへのプレゼンテーションに役立つ、よりリッチなインタラクティブプロトタイプを制作できます。
- ファイル共有時のセキュリティ強化: パスワード保護や閲覧者のコピー・エクスポート制限など、大切なデザイン資産を保護しながら外部と共有できます。
- より詳細な権限設定: チームメンバーや外部の共同作業者に対し、「閲覧のみ」「コメントのみ」「編集可能」など、細かく権限をコントロールできます。
デザイナー視点での使い方ヒント:
チームでデザインを進める上で発生する「コンポーネントのバージョン管理」「デザインの一貫性維持」といった課題を解決してくれるのがこのプランです。
チーム規模や役割に応じて、料金を最適化するために「Devシート」や「コラボシート」といった異なるシートタイプの組み合わせも検討してみると良いでしょう。
ビジネスプラン:
組織全体のデザインを統括(有料)

こんなWebデザイナーにおすすめ:
- 複数のWebデザインチームや部門を持つ中〜大規模の企業
- デザインガバナンスを強化し、組織全体でデザイン品質を統一したい企業
- セキュリティ要件が高く、シングルサインオン(SSO)などを導入したい企業
ビジネスプランは、プロフェッショナルプランの機能に加え、より大規模な組織や企業向けの高度な管理機能とセキュリティ機能を提供します。
Webデザインにおける組織的な統制と効率化を目指す企業に最適です。

このプランのココがポイント!
- SSO (シングルサインオン)対応: 企業内の認証システムと連携し、従業員のFigmaへのログインを簡素化し、セキュリティを向上させます。
- 集中管理されたライブラリ: 組織全体で利用するデザインシステムやコンポーネントを、より厳格に管理・配布できます。異なる部門間でのデザイン資産の共有と一貫性を強力に推進します。
- ゲストアクセス制御: 外部のパートナーやフリーランスのデザイナーを招く際のアクセス権限を、さらにきめ細かく制御できます。
- 監査ログ機能: 誰が、いつ、どのような操作を行ったかの履歴を詳細に追跡できます。セキュリティ監査や問題発生時の原因究明に非常に役立ちます。
デザイナー視点での使い方ヒント:
特に大規模なWebサイト開発や、複数のブランド・サービスを展開する企業において、デザイン資産の一元管理やセキュリティポリシーの適用が重要となる場合に、このプランの恩恵を大きく感じられるでしょう。
エンタープライズプラン:
最高峰のセキュリティとカスタム管理(有料)

- 多拠点・多階層の大規模組織向けに最適化
- 複数部門・ブランド横断のデザイン管理
- 詳細なログ監査や高度なセキュリティ制御が可能
- 管理者ダッシュボードでユーザー管理の効率化
こんなWebデザイナーにおすすめ:
- 極めて厳格なセキュリティポリシーが求められる大企業
- グローバルに展開し、大規模なデザイン組織を持つ企業
- Figmaの機能を組織の特定要件に合わせてカスタマイズしたい企業
エンタープライズプランは、Figmaが提供するプランの中で、最高レベルの機能とサポートを備えています。
特にセキュリティ、ガバナンス、そしてデータ管理において、最も高い要件を持つ大企業向けに設計されています。

このプランのココがポイント!
- ワークスペース機能: 複数のチームをさらに大きな「ワークスペース」という単位で束ね、組織構造をFigma上で柔軟に表現・管理できます。
- 外部共有機能のポリシー強化: 外部へのファイル共有に関する厳格なルールを設定できます(例:外部招待の承認制、パブリックリンク発行時のパスワード強制、期限設定の義務化など)。情報漏洩のリスクを最小限に抑え、企業の機密情報を守ります。
- SCIMによるユーザープロビジョニング: ユーザーアカウントの作成、更新、削除といった管理業務を自動化し、IT部門の運用負担を大幅に軽減します。
- EUデータホスティング(選択可能): データの保管場所に関する特定の規制(GDPRなど)に対応する必要がある場合に、データセンターをEU内に置く選択肢が提供されます。
- ネットワーク制限: 企業ネットワーク内からのFigmaアクセスのみを許可するなど、より厳重なセキュリティ対策が可能です。
デザイナー視点での使い方ヒント:
このプランは、企業の特殊なセキュリティ要件や、Figmaの機能をさらに深掘りして組織のワークフローに完璧にフィットさせたい場合に検討されます。
専任のカスタマーサポートも提供されるため、安心して大規模運用が可能です。
Webデザイナーのタイプ別おすすめプラン
Figmaの各プランは、Webデザイナーのワークフロー、チームの規模、そしてセキュリティや管理に関するニーズに合わせて、非常にきめ細かく設計されていることがお分かりいただけたでしょうか。
利用タイプ | おすすめプラン | 主な理由 |
---|---|---|
練習・勉強・副業 | スターター(無料) | 3ファイルまでで十分。まずは無料から。 |
複数人のチーム | プロフェッショナル | 無制限ファイル+バージョン管理で業務に最適。 |
中〜大規模組織 | ビジネス | フォルダ管理やデザインシステム共有、統括管理 |
大規模企業 | エンタープライズ | 最高レベルのセキュリティとガバナンス |
Figmaプラン別機能一覧表

公式HPですべての機能を確認する
https://www.figma.com/ja-jp/pricing/#features
料金について
Figmaの料金について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。
まとめ:Figmaのプランは「使い方」で選ぶのが正解
- Figmaのプラン選びで重要なのは「料金」よりも「できること」。
- 無料のスターターでも基本的なWebデザイン作業は可能。
- 案件数が増えたり、共同作業が必要になったらプロフェッショナルプランが最適。
- デザインシステムを複数人で管理したい場合はビジネスプラン以上を検討。
- まずはスターターで試して、必要に応じてスムーズにステップアップできるのがFigmaの強み。
Webデザイナーとしてスキルアップしていく中で、
ツール環境もアップグレードしていくのが自然な流れです。
今の自分に必要な機能を見極めて、最適なFigmaプランを選びましょう。
h.koyama
2025.06.24この記事を共有する
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