ChatGPTやGeminiなどの生成AIを使って、Webサイトの構成を考えたり、デザイン案を作ったりする機会が増えています。
そこで気になるのが、AIに入力するプロンプトは、英語と日本語のどちらがよいのかという点です。
「英語のほうがAIに正確に伝わりそう」「日本語ではデザインの精度が下がるのでは」と感じているWebデザイナーや発注者もいるかもしれません。
結論から言うと、Webデザイン制作に関するプロンプトは、基本的に日本語で問題ありません。
ただし、画像生成やデザインテイストの指定では、必要に応じて英語の専門用語を組み合わせることで、意図する表現を伝えやすくなる場合があります。
この記事では、WebデザイナーとWebサイト制作を依頼する発注者に向けて、AIプロンプトにおける日本語と英語の使い分け方を解説します。
AIのプロンプトは英語と日本語のどちらがよい?
現在の主要な生成AIは、日本語で入力された指示にも対応しています。
Webサイトの目的、ターゲット、掲載内容、デザインの方向性、文章のトーンなどを伝える場合は、無理に英語へ翻訳する必要はありません。
むしろ、慣れていない英語を使うことで、重要な条件や細かなニュアンスが抜けてしまう可能性があります。
例えば、次の2つのプロンプトを比較してみましょう。
📝 情報が少ない英語のプロンプト
Create a stylish corporate website.
この指示から分かるのは、コーポレートサイトを作りたいことと、スタイリッシュな印象にしたいことだけです。
誰に向けたサイトなのか、何を目的としているのか、どのような企業なのかが分からないため、AIが一般的な表現で補完することになります。
📝 条件を具体的にした日本語のプロンプト
製造業の法人向けコーポレートサイトを制作します。
ターゲットは、取引先を探している企業の購買担当者です。
長年の実績と技術力が伝わる、信頼感のあるデザインにしてください。
古い製造業のイメージにはせず、余白を広く使った現代的なレイアウトにしてください。
後者のほうが、サイトの目的やターゲット、必要な印象が明確です。
曖昧な英語よりも、条件が整理された日本語のほうが、希望に近い結果を得やすくなります。
プロンプトの言語より具体性が重要!
AIの回答を改善するうえで重要なのは、日本語と英語のどちらを使うかだけではありません。
次のような情報を具体的に伝えることが重要です。
- 何を制作するのか
- Webサイトの目的は何か
- 誰をターゲットにするのか
- どのような課題を解決したいのか
- どのような印象を与えたいのか
- 掲載するコンテンツは何か
- 避けたい表現は何か
- どのような形式で出力してほしいのか
例えば「おしゃれなWebサイトを作ってください」という指示では、AIが考える「おしゃれ」と、依頼者が考える「おしゃれ」が一致するとは限りません。
高級感のあるデザイン、シンプルなデザイン、海外風のデザイン、個性的なデザインなど、人によって捉え方が異なるためです。
次のように具体化すると、AIが判断しやすくなります。
20代から30代の女性をターゲットにした美容室のWebサイトを制作します。
白とベージュを基調とし、余白を広く使ってください。
店内やスタッフの写真を大きく配置し、清潔感と落ち着きを表現してください。
高級すぎる印象にはせず、初めての人でも予約しやすい親しみやすさを持たせてください。
抽象的な形容詞だけでなく、ターゲットや目的、避けたい印象まで伝えることがポイントです。
日本語のプロンプトが向いているWebデザイン業務
Webデザイン制作では、日本語で指示したほうが意図を整理しやすい場面が多くあります。
💻 Webサイトの構成を考える
ページ構成やコンテンツの表示順を考える場合は、日本語で目的や課題を詳しく伝える方法が適しています。
法人向けの採用支援サービスのランディングページを制作します。
目的は無料相談の申し込みを増やすことです。
採用に困っている中小企業の経営者をターゲットにしています。
ファーストビュー、採用課題、サービスの特徴、導入事例、料金、申し込みフォームの順で構成案を作成してください。
各セクションの役割と、掲載すべき内容も説明してください。
📝 キャッチコピーや文章を作成する
日本国内向けのキャッチコピーや説明文では、日本語特有の表現や読みやすさが重要です。
ターゲットの年齢、サービスの特徴、文章のトーンを日本語で伝えたほうが、細かなニュアンスを調整しやすくなります。
家族向け写真共有アプリのファーストビューに使用するキャッチコピーを5案作成してください。
ターゲットは、離れて暮らす家族と子どもの写真を共有したい30代の保護者です。
機能の便利さよりも、家族のつながりや安心感が伝わる表現にしてください。
大げさな広告表現は避け、自然で温かい言葉を使ってください。
✍️ 発注内容や要件を整理する
Webサイトを発注する側が、制作会社へ渡す要件を整理する場合にも、日本語で問題ありません。
現在の課題やサイトを制作する目的をAIに入力し、ヒアリング項目や要件一覧に変換してもらうことができます。
発注者は、デザインの専門用語を使うことよりも、事業上の目的やユーザーに取ってほしい行動を明確にすることが大切です。
英語を組み合わせると便利な場面
すべてのプロンプトを英語にする必要はありませんが、英語の表現を補助的に使うと便利な場面があります。
特に、画像生成やビジュアルの方向性を指定する場面です。
📷 画像の構図や撮影方法を指定する
画像生成では、構図や光、レンズ、撮影方法に関する英語の専門用語が使われることがあります。
centered composition // 中央配置の構図
wide angle // 広角
close-up shot // 被写体へ寄った構図
shallow depth of field // 背景をぼかした浅い被写界深度
soft natural lighting // 柔らかな自然光
top-down view // 真上から見た構図
🎨 デザインのテイストを指定する
デザインの方向性を表す英語表現を、日本語の説明に追加することもできます。
minimal design // 要素を絞ったミニマルなデザイン
editorial layout // 雑誌や編集物のようなレイアウト
modern corporate style // 現代的な企業向けデザイン
muted color palette // 彩度を抑えた配色
generous whitespace // 余白を広く取ったレイアウト
clay-style 3D illustration // クレイ風の3Dイラスト
ただし、英語を追加すれば必ず品質が上がるわけではありません。
使用するAIやモデルによって解釈が異なるため、生成結果を確認しながら調整する必要があります。
日本語と英語を組み合わせたプロンプト例
実務では、内容や目的を日本語で書き、ビジュアル表現に関する用語だけ英語で補足する方法が使いやすいでしょう。
IT企業のコーポレートサイトに使用するメインビジュアルを作成してください。
人物は使用せず、抽象的な図形と光によって技術力と先進性を表現してください。
青を基調とし、企業向けサービスとしての信頼感を持たせてください。
派手なサイバー表現や、暗すぎる背景は避けてください。
minimal design, abstract geometry, soft lighting, modern corporate style, generous whitespace
この方法であれば、制作の目的や避けたい表現を日本語で正確に伝えながら、ビジュアルの方向性を英語で補足できます。
日本語か英語のどちらか一方に統一する必要はなく、伝えやすい言語を組み合わせて問題ありません。
【検証】実際に2つの言語で画像を出力してみた!
今回の記事のサムネイルはAIで作成していますが、日本語と英語でどのくらい差があるか実際に見てみましょう!
以前と比べると、そこまで大きな差はなさそうですね。
またchatGPTの場合は、応答速度を変更することで結果の差が大きくなる可能性があります。
【ポイント】WebデザイナーがAIへ指示するとき
🚩 デザインを作る目的を最初に伝える
AIにデザインを依頼する際は、使用する色やレイアウトだけでなく、なぜそのデザインを作るのかを伝えます。
「青を使う」「余白を広くする」という指示だけでは、目的に合ったデザインになるとは限りません。
問い合わせを増やしたいのか、サービスへの理解を深めたいのか、ブランドイメージを改善したいのかによって、適切な構成は変わります。
💁♂️ ターゲットの状況まで説明する
年齢や性別だけでなく、ユーザーがどのような課題を抱え、どのような状態でサイトを見るのかも伝えます。
例えば、同じ法人向けサービスでも、初めて情報収集する担当者と、複数社を比較している担当者では、必要な情報が異なります。
🙅♀️ 避けたいデザインも明記する
希望する表現だけでなく、避けたい表現を伝えると、方向性を絞りやすくなります。
- カジュアルになりすぎない
- 高級すぎる印象にしない
- イラストを多用しない
- 文字を詰め込みすぎない
- 海外サービスのような表現に寄せすぎない
- 派手なグラデーションを使用しない
🔁 一度のプロンプトで完成させようとしない
AIへの指示は、一度で完成させる必要はありません。
最初の出力を確認し、次のような追加指示を出しながら調整します。
現在の案は先進的ですが、少し冷たい印象があります。
配色の彩度を抑え、人物写真を追加して、相談しやすさが伝わる方向へ修正してください。
レイアウトと情報の表示順は変更しないでください。
何が違うのか、どこを残したいのかを具体的に伝えることで、修正の精度を高められます。
【ポイント】Webサイトの発注者がAIへ伝えるとき
Webサイト制作を依頼する発注者は、専門的なデザイン用語を無理に使う必要はありません。
発注者が整理すべきなのは、主に次の内容です。
- Webサイトを制作する目的
- 対象となる顧客
- 顧客が抱えている課題
- 自社が選ばれる理由
- サイトを見た人に取ってほしい行動
- 現在のサイトで困っていること
- 競合企業との違い
- 参考にしたいサイトと、その理由
例えば「信頼感のあるデザインにしたい」と伝えるだけでは、具体的な判断が難しくなります。
次のように、信頼感が必要な理由まで説明すると、デザイナーにもAIにも意図が伝わりやすくなります。
法人向けサービスの問い合わせを増やすことが目的です。
現在のサイトは情報量が多く、サービスの違いや導入の流れが分かりにくい状態です。
初めて当社を知った企業担当者にも安心して相談してもらえるように、実績や支援体制が伝わる構成にしたいです。
問い合わせまで迷わず進める導線も必要です。
発注者は「どのようにデザインするか」よりも、「何を解決したいか」を伝えることが重要です。
Webデザイン用プロンプトの基本テンプレート
Webサイトの構成やデザインについてAIに相談する場合は、次のテンプレートを使用できます。
【制作するもの】
コーポレートサイト、採用サイト、ランディングページ、バナー、メインビジュアルなど【目的】
問い合わせを増やす、予約を増やす、商品を購入してもらう、採用応募を増やすなど【ターゲット】
年齢、性別、職業、役職、抱えている課題、サイトを見る状況【伝えたい内容】
サービスの特徴、実績、料金、導入の流れ、会社情報など【与えたい印象】
信頼感、親しみやすさ、高級感、先進性、安心感など【デザインの条件】
使用する色、写真の有無、余白、レイアウト、参考サイトなど【避けたい表現】
派手すぎる、子どもっぽい、文字が多すぎる、冷たい印象など【出力形式】
サイト構成、ワイヤーフレーム案、デザイン案、画像生成用プロンプト、HTMLなど
プロンプトを作るときによくある失敗
① 形容詞だけでデザインを指定する
② 参考サイトのURLだけを渡す
③ 条件を一度に詰め込みすぎる
④ AIの出力をそのまま完成形にする
...etc
👇 その他にも以下の記事では、生成AIでの失敗事例をまとめています。
上手く作れない、問題を解決できない場合はこちらの記事をチェック!
生成AIの問題は解決できそうですか?
ここまで紹介したように、生成AIを活用することでホームページ・LPのデザインやコーディングのたたき台を作ることは可能です。
しかし実際には、「思ったデザインにならない」「何度修正しても良くならない」「コードが崩れて実装できない」といった問題に直面するケースも少なくありません。
😱 こんなお悩みはありませんか?
- AIでとりあえず作ってみたがデザインが安っぽい
- 何度プロンプトを修正しても改善しない
- セクションごとの統一感が出ない
- HTMLやCSSが崩れてしまう
- レスポンシブ対応ができない
- 公開できるレベルまで仕上がらない
- 制作時間ばかり増えてしまう
💻 デザイン制作やAI活用についてご相談ください!
KASOUでは、生成AIを活用したホームページ・LP制作の支援や、デザイン制作・コーディング制作のご相談を承っています。
「AIで作ってみたけど途中で止まってしまった」「デザインだけプロに見てもらいたい」「生成したコードを実装レベルまで整えてほしい」といったご相談も可能です。
必要に応じて、AIで作成したホームページ・LP案をベースに、実際の公開を前提としたデザイン・コーディングへブラッシュアップいたします。
まとめ
AIへのプロンプトは、基本的に日本語で問題ありません。
Webサイトの目的、ターゲット、掲載内容、課題、与えたい印象などは、日本語で具体的に伝えたほうが、意図を整理しやすくなります。
画像生成やビジュアル表現では、構図、光、質感、デザインテイストを表す英語の専門用語を補助的に加える方法も有効です。
ただし、英語で書くこと自体が、デザインの品質を保証するわけではありません。
大切なのは、何を作るのか、誰に向けたものなのか、何を達成したいのか、何を避けたいのかを具体的に整理することです。
Webデザイナーは、AIを構成案やアイデアを広げるために活用できます。発注者は、制作目的や要望を整理し、制作会社へ伝えるために活用できます。
日本語と英語のどちらかにこだわるのではなく、自分の意図を最も正確に伝えられる方法を選ぶことが、よいWebデザインにつながります。
よくある質問
AIへのプロンプトを日本語で書くと精度は下がりますか?
日本語で書いたことだけを理由に、必ず精度が下がるわけではありません。現在の主要な生成AIは日本語にも対応しています。言語よりも、目的、ターゲット、条件、避けたい表現、出力形式を具体的に伝えることが重要です。
画像生成のプロンプトは英語のほうがよいですか?
必ずしもすべてを英語にする必要はありません。画像の内容や目的は日本語で伝え、構図、光、質感、画風などの専門用語だけを英語で補足する方法が使いやすいでしょう。
Webサイトの発注者もデザインの専門用語を使うべきですか?
専門用語を無理に使う必要はありません。発注者は、Webサイトを作る目的、対象となる顧客、現在の課題、伝えたい強み、ユーザーに取ってほしい行動を具体的に伝えることが大切です。
日本語と英語を一つのプロンプトに混ぜても問題ありませんか?
日本語と英語を混ぜても問題ありません。目的や条件を日本語で説明し、デザインテイストや撮影方法などを英語の専門用語で補足すると、意図を整理しやすくなります。
プロンプトは長いほどよい結果になりますか?
長ければよいとは限りません。必要な情報が整理されていることが重要です。条件が多い場合は、目的、必須条件、希望条件、避けたい表現、出力形式などに分けて記載すると伝わりやすくなります。
AIが作ったWebデザインをそのまま使用できますか?
AIが作ったデザインは、アイデアや方向性を検討するための参考として使用するのが適切です。実際に公開する際は、情報設計、操作性、アクセシビリティ、実装方法、ブランドとの整合性などをWebデザイナーが確認する必要があります。
小林 祐也
2026.07.14この記事を共有する
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