【strong / b / em ?】 もう迷わない! HTMLで「太文字」をつける正しいタグの選び方

【strong / b / em ?】 もう迷わない! HTMLで「太文字」をつける正しいタグの選び方

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y.kobayashi

2025.05.27

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はじめに:HTMLの「太文字」ってどう使えばいいの?

HTMLには太文字にするタグがいくつかありますが、目的によって選ぶタグが違います!
「とにかく太文字にしたい!」と思っても、意味を持たせるべきタグと、見た目だけの装飾用タグがあるんです。

この記事では、初心者にもわかりやすく、さらに中・上級者にも役立つ深掘り情報をまとめました。

太文字にできるHTMLタグ一覧

タグ見た目意味使いどころ
<strong>太文字意味のある強調(重要性)注意・警告・見逃してほしくないポイント
<b>太文字意味はない(装飾のみ)キーワード・用語・タイトル部分
<em>斜体感情の強調(強調したいニュアンス)本音・皮肉・語調の演出
<mark>黄色マーカー目立たせたい部分検索キーワード・注釈などの強調

使用例でわかるタグの違い

<strong>:意味のある強調(SEOにも有効)

<p><strong>重要:</strong> このフォームはSSLで保護されています。</p>
  • 意味・役割:文章の中で特に重要な部分や強調すべき内容に使います。
  • 特徴:単に太文字にするだけでなく、「ここは特に注目してほしい」「意味的に強調されるべき部分」という情報を伝えます。
  • メリット:検索エンジンやスクリーンリーダーがこの部分を「重要」と認識しやすくなります。
  • 使いどころ:エラーメッセージ、注意書き、強調したい重要なワードなど。

<b>:装飾だけの太文字(意味なし)

<p>この講座では <b>HTML</b> と <b>CSS</b> を学びます。</p>
  • 意味・役割:文字を太文字にしたいけど、内容の意味や重要度を強調したいわけではない場合に使います。
  • 特徴:あくまで「見た目の強調」だけを目的とし、意味的な強調はありません。
  • 注意点:重要な意味を持つ強調には使わないほうがよい。アクセシビリティ面でも意味を伝えません。
  • 使いどころ:ブランド名や用語、装飾的に強調したい部分。

<em>:感情や語調の強調(読み上げにも反映)

<p>彼が <em>本当に</em> 言いたかったことは別にある。</p>
  • 意味・役割:文章の語調や感情を強めたい時に使います。例えば「本当に」や「実は」といったニュアンスの強調。
  • 特徴:通常は斜体になるが、単なる見た目だけでなく「意味的な強調」を表現。
  • メリット:スクリーンリーダーが強調部分を意識して読み上げます。
  • 使いどころ:話し言葉の強調、文のニュアンスを変えたい時。

<mark>:目立たせたい部分のハイライト

<p>検索結果:<mark>太文字 タグ</mark> の使い方</p>
  • 意味・役割:ユーザーに注目してほしい部分を視覚的にハイライトします。
  • 特徴:通常は黄色の背景色で目立つが、意味的にも「ここを注目してください」という印。
  • 使いどころ:検索キーワードのハイライト、重要な注釈やメモ。
  • 注意点:使いすぎると逆に読みにくくなるので要注意。

中・上級者向け:セマンティックHTMLとアクセシビリティ

セマンティック(semantic)」とは、直訳すると「意味論的な」という意味で、Web制作における「セマンティックHTML」では、タグに「意味」を持たせて使うことを指します。

セマンティック=“このタグは何の役割か”が明確なこと
HTMLには、見た目だけではなく、その情報が何であるかを示す“意味のあるタグ”が用意されています

セマンティックな強調 → <strong> と <em>

  • 意味を持つ強調として検索エンジンやスクリーンリーダーが理解する
  • 正しく使うとSEOやアクセシビリティの向上につながる

セマンティックでない → <b> と <i>

  • 見た目のスタイルにすぎないため、意味としての強調にはならない
  • 装飾目的なら、CSSを使う方がベター

セマンティックHTMLがなぜ大事なの?

  1. SEOに有利
    検索エンジンは、タグの意味を理解してページの構造を評価します。
    たとえば、<strong>で囲んだ文字は「重要な内容」として扱われやすくなります。
  2. アクセシビリティの向上
    音声読み上げツールなども、セマンティックなタグを使うと「これはナビゲーションです」「これは重要な内容です」と適切に読み上げてくれるようになります。
  3. 保守性・チーム開発でも便利
    タグに意味があると、他の開発者もコードの意図が読みやすくなるため、チーム開発や将来の保守がしやすくなります。

NGな使い方|こういう使い方は避けよう!

NG例なぜダメ?改善方法
<strong>を多用して装飾に使う強調の意味が薄れてSEOにも逆効果CSSや<b>を使う
<b>に意味のある強調をさせるスクリーンリーダーが反応しない<strong>に変更
<em>を単なる斜体代わりに多用感情の強調としての意味が伝わらないスタイルだけならCSSで斜体指定
<mark>を本文全体に使う読みにくい・強調しすぎで逆効果必要な箇所に絞ること

HTML+CSSのベストプラクティス

装飾はCSSに任せるべき場面

<!-- NG:意味のない太文字 --> <p><b>注意</b>してください。</p> <!-- OK:CSSで装飾 --> <p><span class="warning">注意</span>してください。</p>
.warning { font-weight: bold; color: red; }

意味のある強調にはHTMLタグを使う

<p><strong>注意:</strong> これは意味のある強調です。</p>

まとめ:目的別 太文字タグの使い分け早見表

目的タグセマンティック装飾レベル
本当に大事・伝えたい<strong>
装飾したいだけ<b> または CSS×
感情・語調の強調<em>△(斜体)
注目・マーカー<mark>◎(黄色背景)

最後に:太文字=ただのデザインではない!

「太文字にしたい」と思ったとき、“なぜ太文字にするのか”を少しだけ考えてみましょう。

  • 意味を伝えたい? → セマンティックなタグを使おう!
  • 見た目だけ変えたい? → CSSでOK!

正しくタグを使うことで、SEO対策にもなり、誰でも使いやすいWebデザインに繋がります。