はじめに:HTMLの「太文字」ってどう使えばいいの?
HTMLには太文字にするタグがいくつかありますが、目的によって選ぶタグが違います!
「とにかく太文字にしたい!」と思っても、意味を持たせるべきタグと、見た目だけの装飾用タグがあるんです。
この記事では、初心者にもわかりやすく、さらに中・上級者にも役立つ深掘り情報をまとめました。
太文字にできるHTMLタグ一覧
タグ | 見た目 | 意味 | 使いどころ |
---|---|---|---|
<strong> | 太文字 | 意味のある強調(重要性) | 注意・警告・見逃してほしくないポイント |
<b> | 太文字 | 意味はない(装飾のみ) | キーワード・用語・タイトル部分 |
<em> | 斜体 | 感情の強調(強調したいニュアンス) | 本音・皮肉・語調の演出 |
<mark> | 黄色マーカー | 目立たせたい部分 | 検索キーワード・注釈などの強調 |
使用例でわかるタグの違い
<strong>:意味のある強調(SEOにも有効)
<p><strong>重要:</strong> このフォームはSSLで保護されています。</p>
- 意味・役割:文章の中で特に重要な部分や強調すべき内容に使います。
- 特徴:単に太文字にするだけでなく、「ここは特に注目してほしい」「意味的に強調されるべき部分」という情報を伝えます。
- メリット:検索エンジンやスクリーンリーダーがこの部分を「重要」と認識しやすくなります。
- 使いどころ:エラーメッセージ、注意書き、強調したい重要なワードなど。
<b>:装飾だけの太文字(意味なし)
<p>この講座では <b>HTML</b> と <b>CSS</b> を学びます。</p>
- 意味・役割:文字を太文字にしたいけど、内容の意味や重要度を強調したいわけではない場合に使います。
- 特徴:あくまで「見た目の強調」だけを目的とし、意味的な強調はありません。
- 注意点:重要な意味を持つ強調には使わないほうがよい。アクセシビリティ面でも意味を伝えません。
- 使いどころ:ブランド名や用語、装飾的に強調したい部分。
<em>:感情や語調の強調(読み上げにも反映)
<p>彼が <em>本当に</em> 言いたかったことは別にある。</p>
- 意味・役割:文章の語調や感情を強めたい時に使います。例えば「本当に」や「実は」といったニュアンスの強調。
- 特徴:通常は斜体になるが、単なる見た目だけでなく「意味的な強調」を表現。
- メリット:スクリーンリーダーが強調部分を意識して読み上げます。
- 使いどころ:話し言葉の強調、文のニュアンスを変えたい時。
<mark>:目立たせたい部分のハイライト
<p>検索結果:<mark>太文字 タグ</mark> の使い方</p>
- 意味・役割:ユーザーに注目してほしい部分を視覚的にハイライトします。
- 特徴:通常は黄色の背景色で目立つが、意味的にも「ここを注目してください」という印。
- 使いどころ:検索キーワードのハイライト、重要な注釈やメモ。
- 注意点:使いすぎると逆に読みにくくなるので要注意。
中・上級者向け:セマンティックHTMLとアクセシビリティ
「セマンティック(semantic)」とは、直訳すると「意味論的な」という意味で、Web制作における「セマンティックHTML」では、タグに「意味」を持たせて使うことを指します。
セマンティック=“このタグは何の役割か”が明確なこと
HTMLには、見た目だけではなく、その情報が何であるかを示す“意味のあるタグ”が用意されています
セマンティックな強調 → <strong> と <em>
- 意味を持つ強調として検索エンジンやスクリーンリーダーが理解する
- 正しく使うとSEOやアクセシビリティの向上につながる
セマンティックでない → <b> と <i>
- 見た目のスタイルにすぎないため、意味としての強調にはならない
- 装飾目的なら、CSSを使う方がベター
セマンティックHTMLがなぜ大事なの?
- SEOに有利
検索エンジンは、タグの意味を理解してページの構造を評価します。
たとえば、<strong>で囲んだ文字は「重要な内容」として扱われやすくなります。 - アクセシビリティの向上
音声読み上げツールなども、セマンティックなタグを使うと「これはナビゲーションです」「これは重要な内容です」と適切に読み上げてくれるようになります。 - 保守性・チーム開発でも便利
タグに意味があると、他の開発者もコードの意図が読みやすくなるため、チーム開発や将来の保守がしやすくなります。
NGな使い方|こういう使い方は避けよう!
NG例 | なぜダメ? | 改善方法 |
---|---|---|
<strong> を多用して装飾に使う | 強調の意味が薄れてSEOにも逆効果 | CSSや<b> を使う |
<b> に意味のある強調をさせる | スクリーンリーダーが反応しない | <strong> に変更 |
<em> を単なる斜体代わりに多用 | 感情の強調としての意味が伝わらない | スタイルだけならCSSで斜体指定 |
<mark> を本文全体に使う | 読みにくい・強調しすぎで逆効果 | 必要な箇所に絞ること |
HTML+CSSのベストプラクティス
装飾はCSSに任せるべき場面
<!-- NG:意味のない太文字 --> <p><b>注意</b>してください。</p> <!-- OK:CSSで装飾 --> <p><span class="warning">注意</span>してください。</p>
.warning { font-weight: bold; color: red; }
意味のある強調にはHTMLタグを使う
<p><strong>注意:</strong> これは意味のある強調です。</p>
まとめ:目的別 太文字タグの使い分け早見表
目的 | タグ | セマンティック | 装飾レベル |
---|---|---|---|
本当に大事・伝えたい | <strong> | ○ | ◎ |
装飾したいだけ | <b> または CSS | × | ◎ |
感情・語調の強調 | <em> | ○ | △(斜体) |
注目・マーカー | <mark> | ○ | ◎(黄色背景) |
最後に:太文字=ただのデザインではない!
「太文字にしたい」と思ったとき、“なぜ太文字にするのか”を少しだけ考えてみましょう。
- 意味を伝えたい? → セマンティックなタグを使おう!
- 見た目だけ変えたい? → CSSでOK!
正しくタグを使うことで、SEO対策にもなり、誰でも使いやすいWebデザインに繋がります。
y.kobayashi
2025.05.27この記事を共有する
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