文字を並べるとき、ただ入力するだけでは美しいデザインは完成しません。
文字と文字の間隔が整っていないと、文章全体が読みにくくなり、
デザインの完成度が下がってしまいます。これを整える作業が「カーニング」です。
この記事では、初心者が迷わず取り組める 「理論 → 実践 → 観察」 の3ステップで、
カーニングを効率よく勉強する方法を紹介します。
カーニングとは?基本理解から始めよう
カーニングの定義
カーニング(Kerning)とは、特定の文字と文字の間隔を調整して、見た目のバランスを整える作業のことです。
例えば「A」と「V」が並んだとき、デフォルトのままだと隙間が広く見えることがあります。
この場合、文字同士を少し近づけることで、全体の流れがスムーズになり、読みやすさが増すのです。
トラッキングとの違い
カーニングとよく混同されるのが「トラッキング」です。
- カーニング:特定の文字ペアの間隔を調整する(例:「AV」「To」など)。
- トラッキング:文章全体の文字間隔を均等に広げたり詰めたりする。
つまり、トラッキングは「全体のリズム」を整え、カーニングは「部分の違和感」を修正するもの、と覚えると理解しやすいでしょう。
文字間設定別の見え方

カーニング学習の全体像:3ステップで身につける
カーニングは、単に数値を動かすだけでは上達しません。
効果的な学習は次の3ステップで進めることをおすすめします。
- 理論学習:基本用語や考え方を理解する
- 実践練習:実際に手を動かして文字間を調整する
- 日常的な観察:街中やWebで使われている文字を分析する
この3つを並行して続けることで、「理論」と「感覚」の両面からスキルを磨くことができます。
実践練習:Kern Typeで学ぶ
カーニングを学ぶとき、最も効率的なのが「実際に文字を動かして調整する」練習です。
ゲーム感覚で学べるサイトが Kern Type です。

このサイトの特徴
- ブラウザ上で文字間をドラッグして調整できる
- ゲーム感覚でスコアが表示される
- 正解との比較で、自分の感覚のズレを客観的に確認できる
練習の進め方
- サイトにアクセスし、操作方法を確認します。
- 指定された文字をドラッグして、見た目が自然に見える位置に調整。
1. サイトにアクセスして操作方法確認
サイトにアクセスすると操作説明のアニメーションが流れるので、操作方法を確認してゲームを開始します。
2. 指定された文字をドラッグして調整
指定された文字をドラッグして、見た目が自然に見える位置に調整し、完了したら「Done」をクリックすると採点されます。
観察力を鍛える:日常の中で学ぶ
練習サイトだけではなく、日常的に「文字間」に注目することも大切です。
観察のポイント
- 街中のポスターや看板:「このロゴ、文字同士が近すぎないか?」と疑問を持つ
- 雑誌や広告:プロのデザイナーがどうカーニングしているかを分析
- Webサイト:見出しの文字間や英字フォントのバランスに注目
観察する際には、「読みやすさ」「まとまり感」「違和感の有無」という3つの視点で見ると効果的です。スマホで気になった例を撮影・スクリーンショットして、自分の学習素材にするのもおすすめです。
雑誌の表紙から学ぶ
雑誌の表紙からデザインを学ぶのは、とてもいい方法です。
特に、BRUTUSやCasa BRUTUSのデザインを手がける制作会社Capのウェブサイトを
参考にしてみるのがおすすめです。
Capの制作実績から雑誌の表紙を見て、プロのデザイナーがどのようにカーニングしているかを
分析することは、デザインのスキルを磨く上で非常に役立ちます。

デザインギャラリーサイトも活用
膨大な数のWebサイトをまとめているギャラリーサイトを活用して、見出しの文字間や英字フォントのバランスに注目するのもおすすめです。
まとめ:今日からできるカーニング学習
カーニングは一朝一夕で身につくスキルではありません。
しかし、次のように学習を積み重ねることで、着実に上達します。
- 理論を理解することで「なぜ調整が必要か」が見えてくる
- 練習サイトで繰り返し調整し、感覚を鍛える
- 日常の中で観察して、自分の判断力を磨く
今日からでも、Kern Type を試しつつ、街の文字を観察してみてください。
数週間続けるだけで、文字を見る目が確実に変わるはずです。
この記事の振り返りFAQ
カーニングとトラッキングの違いは?
カーニングは「特定の文字ペア」の間隔調整、トラッキングは「全体の均等な調整」です。
独学でも上達できますか?
可能です。Kern Type などを活用し、観察習慣を持てば十分に身につきます。
どのくらい練習すれば効果が出ますか?
毎日5分程度でも、2〜3週間で違和感に気づけるようになります。
プロのデザイナーも毎回カーニングしていますか?
はい。特にロゴや見出しなど「目立つ文字」はほぼ必ず調整されています。
推奨される教材やサイトは?
Kern Type が最初の一歩に最適です。さらに専門書籍やデザインブログで知識を補完しましょう。
h.koyama
2025.08.21この記事を共有する
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https://kasoudesign.com/knowledge/kerning/
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