ウェブデザインのスキルを客観的に証明できる国家資格として注目されるウェブデザイン技能検定(ウェブデザイン技能士)。
就職・転職・フリーランス案件獲得に役立つことから、多くのデザイナーやウェブ担当者が挑戦しています。
以前、下の記事で検定の概要については説明をしてきました。
https://kasoudesign.com/knowledge/webdesign-skill-test/
本記事では、検定の概要・料金・学習方法・取得後のキャリア展望まで、
初心者でもわかるよう丁寧に解説します。
ウェブデザイン技能検定とは?概要と特徴
ウェブデザイン技能検定は、厚生労働省認定の国家資格で、特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会(NPO)が運営しています。
検定は3級〜1級までの3段階に分かれ、学科試験(筆記)と実技試験(制作課題)で構成されています。
- 3級:HTML/CSSの基礎、ウェブデザインの入門
- 2級:制作実務スキルと運用管理
- 1級:設計・制作・運用までの高度スキル
合格基準は学科・実技ともに70点以上(実技は各分類で60%以上)です。
他の検定との違い|国家資格としての価値
ウェブ関連資格には民間検定も多くありますが、ウェブデザイン技能検定は国家資格であることが大きな強みです。
- 信頼性が高い :履歴書や名刺に「ウェブデザイン技能士〇級」と記載可能
- 実技試験あり :実務スキルを客観的に証明できる
- キャリアで有利:就職・転職・フリーランス案件取得に役立つ
国家資格として社会的に評価されるため、単なる知識習得ではなく、スキル証明としての価値があります。
受験したい方へ
■ 受験料金
等級 | 学科 | 実技 |
---|---|---|
1級 | 8,000円 | 25,000円(ペーパー実技含む) |
2級 | 7,000円 | 16,000円 |
3級 | 6,000円 | 8,000円 ※ |
学科・実技共に免除(両側免除)、または1級実技免除にて申請をされる場合、手数料は2,000円となります。
■ 開催頻度・スケジュール
年間4回実施され、1級のみ学科と実技が別日程です。
回 | 月 | 対象 |
---|---|---|
第1回 | 5月 | 2級・3級 |
第2回 | 8月 | 2級・3級 |
第3回 | 11月 | 1級学科・2級/3級 |
第4回 | 翌年2月 | 1級実技・2級/3級 |
地方都市でも開催されるため、全国的に受験が可能ですが、1級の学科と実技は東京・大阪での開催となっています。
必要な学習内容・学習方法・使用ツール
1. 学科試験
- HTML/CSS、ウェブ標準、アクセシビリティ、ユーザビリティ
- サイト構築・運用、セキュリティ・法務
2. 実技試験
- 3級:HTML/CSSによる簡易サイト構築
- 2級:画像加工・アップロード・運用管理
- 1級:設計・制作・運用まで総合的スキル
3. 学習方法
- 過去問題集や模擬試験の活用
- e-Learningやウェブデザインスクールの受講
- 実務ツールの習得(Adobe Photoshop、Figma、Visual Studio Codeなど)
資格取得後のキャリア展望
- 肩書として使用可能
名刺・履歴書に「ウェブデザイン技能士〇級」 - 就職・転職での差別化
企業からの信頼性向上 - フリーランス案件獲得に有利
スキル証明として提示可能
ただし、実務経験やポートフォリオと併せて活用することで、より大きな効果があります。
公開されている練習問題
- 学科試験
3級学科向けのオンライン練習問題やPDF問題が公式サイトで公開 - 実技試験
過去問題の概要は公開されますが、素材データは非公開
公式サイトの練習問題を使って、出題傾向や時間配分の確認が可能です。
ウェブデザイン検定をデザイナーはどうみている?
■ ポジティブな意見
- スキルの証明
「資格を取得することで、自分のスキルを客観的に証明できる点が良い。」 - キャリアの向上
「就職や転職活動の際に、資格があることで有利になると感じる。」 - 学習のモチベーション
「資格取得を目指すことで、学習の目標が明確になり、モチベーションが上がった。」
■ ネガティブな意見
- 実務とのギャップ
「試験の内容が実際の業務と乖離している部分があり、実務経験の方が重要だと感じる。」 - 試験の難易度
「特に1級の試験内容が難しく、時間と労力を要する。」 - 資格の認知度
「業界全体での認知度が低く、資格を持っていても評価されにくい場合がある。」
デザイナー向けの他のおすすめ検定
1. ウェブクリエイター能力認定試験
- 内容:HTML/CSS、JavaScript、ウェブデザイン基礎
- 試験形式:CBT方式(コンピュータベース)
- 受験資格:特に制限なし
- 受験料:10,000円+税
- 学習教材:『ウェブの仕事力が上がる 標準ガイドブック2 ウェブデザイン 第3版』など
2. その他
- Adobe認定資格(Photoshop、Illustratorなど)
- UI/UXデザイン関連の認定資格(Google UX Design Certificateなど)
まとめ : 検定の取得は必要?
ウェブデザイン技能検定は、国家資格としてスキルを客観的に証明できる点が大きなメリットです。
しかし、デザイナーによって必要性の感じ方は異なります。
ウェブデザイン技能検定は、スキル証明や学習のモチベーションとして有効ですが、
すべてのデザイナーに必須というわけではありません。
特に実務経験がある中級〜上級デザイナーは、ポートフォリオや実績の方が評価されやすいです。
逆に、初心者や転職・独立を目指す人には有利に働く資格と言えます。
持っているに越したことはないと思いますが、
「自分の目標・学習スタイル・時間・費用」の4点を天秤にかけて受験するか判断するのが良いでしょう!
関連リンク
- ウェブデザイン技能検定 – ウェブにかかわる全ての人のための、国家検定
https://www.webdesign.gr.jp/ - アドビ認定プロフェッショナル|Adobe Certified Professional
https://adobe.odyssey-com.co.jp/ - Google UX Design プロフェッショナル認定証 | Coursera
https://www.coursera.org/professional-certificates/google-ux-design
y.kobayashi
2025.08.26 更新この記事を共有する
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