【インタビュー】 成長し続けるデザイナー | 会社員×副業・自主制作で広がるデザインの世界

【インタビュー】 成長し続けるデザイナー | 会社員×副業・自主制作で広がるデザインの世界

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y.harima

2025.11.27 更新

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デザイナー

永野 喜寛Yoshihiro Nagano

デザイナー歴:8年

家族構成:妻と2人暮らし

ポートフォリオサイト:https://nagano1996.studio.site/

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今回お話を伺った永野喜寛さんは、会社員として働く一方で、
副業や自主制作でもデザインに取り組んでいます。
副業や自主制作を「会社とは異なるジャンルのサイトづくりや、新たな手法を試せる場」と位置づけ、
日々の実践を通して自分の可能性を広げています。
さらに、仕事を続けながらスキルアップのためにスクールにも通うなど、
常に学びを止めないその探究心の源に迫ります。

【キャリア】大学での学びとデザイナーとしての現在地

最終学歴を教えてください。

最終学歴は大学卒で、千葉工業大学 工学部デザイン科学科を専攻していました。

大学では、1・2年次にプロダクト、建築(インテリア)、そして情報といった大きく三つのジャンルを幅広く学んでいました。その後、3・4年次で分野を情報コースに絞り込み、UI/UXやWeb領域に中心的に取り組んでいました

社会人としてのキャリアを教えてください。

大学4年時に研究室の教授からの紹介でインターンをさせてもらっていた株式会社イタレリ株式会社mistaに転籍)に、新卒でそのまま入社してキャリアをスタートしました。入社して今年で勤続8年目です。

デザイナーとして、主にどのようなお仕事をされていますか?

会社ではデザインとそれに関わるディレクションを行なっています。

デザイン業務に関しては、Webサイトデザインが8割UIデザインが2割ぐらいの割合で担当しています。私の担当はデザインのみで、実装はエンジニアが行う完全分業制で進めています

ディレクション業務としては、自社デザイナーとのやり取りのほか、進行管理やクライアントの窓口などを行なっています。

普段はリモートを中心に作業している永野さんの作業環境

【副業】表現の幅を広げる個人活動

会社員としてデザインの仕事をしながら、個人でもデザインを続けている理由を教えてください。

メインの目的は、スキルアップ経験の蓄積です。

会社の案件とは異なるジャンルの制作に関わることで、新しい手法を試したりチャレンジングな制作に個人の案件で積極的に取り組んでいます。こうして得た経験を、会社での仕事にも活かしたいと考え、続けています。

また、個人の案件は会社員として給与を得ているので、お金は重要視していません
それよりも、会社ではディレクション業務が多いため、純粋にデザインがしたいという理由も大きいです

副業で制作した「朝日自動車グループコーポレートサイト」のリニューアル

企業と個人のお仕事のスケジュールはどのように組まれていますか?

平日の就業時間は10時〜19時で、個人制作は主にその後の時間と土日を中心に行っています
基本的にはその形で制作を行なっていますが、特に忙しい時には、さらに深夜まで作業することもあります

提出期限を月曜日に設定していただくことが多いため、土日がしっかり取れれば大体の作業は完了できる、という感覚で進めています。

個人の案件の獲得方法や単価の目安を教えてください。

現在は、知り合いやクライアントさんからの紹介で案件を獲得しています。

Webサイト制作の単価の目安としては、LPなど1ページものの場合、数万〜十数万円程度で考えることが多いです。

追加ページがある場合は1ページあたり数万円程度で計算することが一般的で、いずれもデザイン費用のみ(実装費用は別)です。
複数ページのサイトになると、規模や納期に応じて数十万円程度になることもあります。
案件ごとに内容やクライアントの希望に合わせて、柔軟に対応しています。

【仕事】多忙な日々を支える制作ステップとマインド

制作プロセスについて、アイデア出しから完成までどのようなステップを踏まれますか?

個人の案件は、デザイナーとして入ることが多いので、競合調査・構成案・ワイヤーフレームは制作会社が担当することが多いですが、調査は自分でも必ず行いワイヤーフレーム作成から関わるケースもあります

アイデア出しは、日頃からデザインギャラリーサイトなどを見て着想を得ています
また、Webサイトのデザインだけに固執しないように、グラフィック系(紙媒体のポスターやパンフレット)からもアイデアを取り入れるように意識しています。

本棚にはインプットの一部であるデザイン関連の書籍や観葉植物が飾られている

それぞれの活動(自主制作・会社員・副業)で求められるマインドやスキルは異なると思いますが、ご自身ではどのように使い分けていますか?

会社員として働く時は、チームの成果と売上に直結する部分を最優先に考えています。

ディレクターとしての立場もあるので、進行管理や予算管理についてはデザイン業務以上に気をつけています。
デザイナーとしては、会社の看板を背負ってデザインをするという意識を持っています。
デザインの品質はもちろん、クライアントとのやり取りなど、そういったところまで気をつけるようにしています。

チームメンバーへのフィードバックは、案件の性質やスケジュールによって具体的なフィードバック(ピクセル単位の余白調整など)抽象的なフィードバック(雰囲気や方向性を示す)に使い分けています。また、自分自身が不安だった経験から、文面でも感情が伝わるようにデザインを褒めるなどの工夫をしています。

【展望】仕事と私生活のバランス、そして将来の展望

この複数軸の働き方に対して、家族・プライベート・休息などの側面で工夫されていることはありますか?

土日にも作業していますが、今は特に妻と細かく取り決めをしているわけではないです。

妻自身も結構仕事をするタイプで、職種的に土日休みではないため、一人の時間も多いので、このままの働き方を続けていくと思います。

ただ、今後何か変化があった際には、その都度二人で協力して考えていく形になると思います。
そのときに仕事の調整を検討するといった柔軟な対応になるかもしれません。

最終的に「こういう姿」に辿り着きたい、というキャリアのゴールや夢があれば教えてください。

正直、出世欲はあまりなく、昇進を目指すというよりも、より良いデザインを作り続けていきたいという気持ちの方が強いです。

なぜなら、会社でできないことは個人でやればいいと考えていて、それが今できているからです。
フリーランスも検討したのですが、やることが今と変わらない気がしましたし、会社員として固定収入がある方がいいと思っています。

将来的に、もし転職やフリーランスという働き方を考えることがあったとすれば、
以前通っていたMeMe Design School(読み方:ミームデザインスクール)で得たデザイナー同士のつながりから、いろいろなデザイナーとコミュニケーションを取りながら案件を進められる環境は楽しそうだなくらいに思う程度です。

今のところは、あくまで「こういう働き方もあるかも」という軽いイメージとして頭にあるくらいで、具体的に検討しているわけではありません。

結婚式の招待状サイト( https://www.awwwards.com/sites/wedding-invitation )にも掲載

【メッセージ】副業・自主制作を始める方へ

活動を始めようとしている人、自主制作に興味がある人、副業を考えている人に対して一言あればお願いします。

もし金銭的な目的ではないのであれば、会社の案件ではできないような手法や領域に積極的に挑戦してみると良いと思います。

そうすることで、会社でできない経験ができるので、結局回り回って自分や会社に還元されます。
本当に小さな案件でも、バナーだけとかでもいいので、まずは小さなことでもやってみるのが良いと思います。

それから、外部のスクールで学ぶことも選択肢として考えてみてもいいかもしれません。

実際に私自身、スキルアップのためにデザイナーになってからMeMe Design Schoolに通いました。そこで、自分が見ていなかった領域が広がり、さまざまなデザイナーとのつながりも増えたので、受講して良かったと思いました。

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