村上 はじめHAJIME MURAKAMI
今回お話を伺ったのは、ハードウェアエンジニアからWebデザイナーへ転身し、
現在はフリーランスとして活動されている村上はじめさんです。
Studioを使った実装代行を強みに、実装から関係性を築き、
ディレクションなど上流工程へと仕事の幅を広げてきました。
また、バックオフィス業務の試行錯誤の中で自作したNotionの管理ツールを、
運用を重ねてテンプレート化し、販売した取り組みも注目されます。
今回は、独立までの経緯や実務での工夫、フリーランスとしての働き方、
そして自身のツール開発にまつわる取り組みに迫ります。
【キャリアの歩み】ハードウェアエンジニアからWebデザイナーへ
最終学歴を教えてください。
愛媛県にある工業高等専門学校の卒業です。
高専は5年制なので、15歳から20歳まで通いました。
専攻は電気情報工学科で、ハードウェアとソフトウェアの両方を学ぶ学科でしたが、基本的にはハード寄りの内容を中心に学んでいました。
社会人としてのキャリアを教えてください。
新卒で愛知県の会社に入社し、ハードウェアエンジニアとしてキャリアをスタートしました。
「現場で働きながら技術を身につけたい」という思いから、メーカーではなく、あえてメーカーなどに出向する派遣会社を選び、車載用ECUや介護ロボットの開発に携わっていました。
その後、異業種への転職を決意し、名古屋の制作会社へデザイナーとして入社し、ディレクションやデザインを中心に担当しながら、約3年間勤務しました。
そして現在は独立し、フリーランスとして活動しています。
ハードウェアエンジニアからWebデザイナーへ転身された背景や理由を教えてください。
ハードの分野にあまり面白みを感じられなくなったことが大きいですね。
この先ずっと続けていくイメージが持てなくなってしまったんです。
あとは、働く場所に縛られない働き方に惹かれたというのもあります。
車業界だとどうしても愛知県などに縛られてしまうので、将来への不安を感じたのも理由の一つです。
転職までに行ったWeb制作の学習内容について、学習期間と具体的な学習方法(独学・スクールなど)を教えてください。
転職までに、約1年間Web制作に取り組み、そのうち5ヶ月間は職業訓練校に通い、残りの期間は転職活動を行いました。
職業訓練校ではWebデザイナー科に近い講座を専攻し、Web制作の基礎を学びました。
学習内容はコーディングが中心で、HTML・CSSを一通り習得し、参考書を一冊通して進めていくようなカリキュラムでした。
PhotoshopやIllustratorについては、基本的な操作方法を学ぶ程度でした。
講師は現役デザイナーではなかったため、デザインの考え方や制作フローよりも、技術面の習得がメインとなっていました。
【お仕事】フリーランスとしての仕事と実務の工夫
現在、主にどのようなお仕事をされていますか。
領域を絞らず、ディレクション・デザイン・実装まで幅広く対応しています。
業務委託で他社のディレクターをすることもあれば、実装のみ、あるいはデザインから実装まで受けることもあります。
Studio Expertsにも加盟しており、Studioを用いた制作については、こちらからご相談をいただくこともあります。

最近はStudioを使った実装代行にも力を入れており、SEOでも上位に表示されるようになっています。特に、デザインやディレクションの視点を持って実装を行うことで、お客様に喜んでいただけることが多く、実装をきっかけにディレクションなど上流工程へと仕事が広がるケースも増えています。

Studio実装代行を始めたきっかけはなんですか。
仕事がない時期に、ディレクションやデザインの仕事を取りたい気持ちばかりが先行し、うまくいかず空回りしていたことがありました。
そこで立ち返って「今、自分が必要とされているものは何か」「需要があるものは何か」を考え、ちょうど流行り始めていたStudioの実装代行に絞って、LPを作ってSNSで告知してみたんです。
それが、意外と反響がありました。

普段の案件の獲得方法や、案件単価、意識して狙っている案件の種類などを、可能な範囲で教えてください。
初年度は営業的なことを足で稼いでいましたが、最近はフォームからの問い合わせや、人づての紹介で案件が回り始めるようになりました。
見積もりの際は、依頼内容をそのまま形にするのではなく、「こんなこともできますよ」と複数の提案や「実はここで困っていませんか?」といったアプローチをして、その案件に必要な存在になれるよう意識しています。
単価は、日単価数万円を目安に、実装のみの小規模案件で十数万円前後(10万円〜)、10ページ規模のサイトで数十万円程度(50万円〜)を目安に見積もっています。
※インタビュー時点での金額感となります。実際の料金はお問い合わせください。
現在は直請け案件を増やしながら、自分が元請けとなって信頼できる仲間とチームを組み、一人では回せない規模のプロジェクトにも挑戦していきたいと考えています。
将来的には制作をパートナーに任せ、自身はディレクションに専念していきたいですね。
「ひとり事業マネージャー」というツールを制作したきっかけはなんですか。
売ろうと思って作ったというより、自分の業務を効率化するために作ったツールが、結果的に商品化につながりました。
独立当初はバックオフィス業務の管理が定まっておらず、スプレッドシートで対応していましたが、管理しづらさを感じてNotionでデータベースを連携させて管理ツールを自作したのが始まりです。
請求や売上管理を中心に使う中で少しずつ機能を追加していき、「他のフリーランスにも有益なのでは」と感じたことから、テンプレートとして整理しました。
また、技術を切り売りするだけでなく、自分の考えを形にして「物を売る」経験をしてみたかったことも、商品化の後押しになっています。

フリーランスとしての収入は、会社員時代と比べてどのように変化しましたか。
初年度は会社員時代と同程度でしたが、今年は上がっています。
実績を積んだことで、以前は通らなかった単価で見積もりが通るようになり、順当に単価が上がってきたため、収入面でも手応えを感じるようになりました。
【働き方】仕事と子育てを両立する日常
1児の父として、仕事と子育てをどのように両立されていますか。
制作会社時代と比べて、メリハリをつけていると思います。
妻が仕事で朝が早いので、朝の準備や保育園の送りは僕が担当しています。
日中は前の会社にデスクを間借りして仕事をして、18時頃には一度帰宅し、お風呂や寝かしつけまで一緒にやるのが日課です。忙しい時はそのあとに少し仕事を再開することもありますが、基本的には無理をせず、翌日に備えるようにしています。
とはいえ、朝は体力的にきつい日もありますし、イヤイヤ期も重なって、仕事への気持ちの切り替えが難しいこともあります。そういう日は、仕事に入る前にカフェに立ち寄って、記事を読んだりしながら30分〜1時間ほど気持ちを整えるようにしています。
フリーランスは出社の強制がない分、自分で自分の調子を作らないといけない仕事なので、こうしたリフレッシュの時間を設けることを重要視しています。
【アドバイス】これからフリーランスを目指す人へ
フリーランスとして活動した2年間を振り返って、行ってきたことの変化や、これからフリーランスを目指す人へのアドバイスがあれば教えてください。
振り返ると、1年ごとにテーマを設けて活動してきました。
1年目は「軌道に乗せる」をテーマに、自分の仕事のスタイル作りに注力しました。
その中で、実装代行など自分の強みを整理し、人に説明できる状態まで持っていくことができました。
2年目は実績を積み上げ、さらに伸ばすことをテーマに、着実に成果を積み上げており、今はそれを叶えつつある段階です。
テーマを決めて忠実に行動できていることが、この2年間の大きな振り返りです。
フリーランスを目指す方へのアドバイスとしては、フリーランスは「縛られない」「人間関係を気にしなくていい」と思われがちですが、実際には会社員や正社員ほど強いつながりではない関係性の中で、きちんと仕事をやりきり続ける必要があります。
そういう意味では、小さな就職活動が常に続いているようなしんどさがあり、決して自由な働き方ばかりではありません。
だからこそ、自分の強みを武器にしながら、信頼を積み重ねて仕事をしていく、というイメージを持っておくことが大切だと思います。
その一方で、気分が乗らない時は休んだり、やりたくない仕事は断ったりと、自分自身で判断できるのはフリーランスの「福利厚生」のようなものなので、自分の気持ちを大切にしながら挑戦したい方には、ぜひ頑張ってほしいです。
y.harima
2026.01.14 更新この記事を共有する
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