【インタビュー】 危機を転機に変えたデザイナーの道 | 子育てと挑戦を両立する日々

【インタビュー】 危機を転機に変えたデザイナーの道 | 子育てと挑戦を両立する日々

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y.harima

2025.11.20 更新

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フリーランスデザイナー

ニシナ ナオミNAOMI NISHINA

フリーランス活動歴:約1年

家族構成:夫と子どもの3人暮らし

ポートフォリオサイト:https://lilibeth-design-lab.com/

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今回お話を伺ったWebデザイナーのニシナ ナオミさんは、未経験からフリーランスデザイナーへの転身を実現しました。

現在は、週4日の業務委託と個人案件を両立させながら、子育てと仕事、そして自己成長という3つの軸をバランスよく保つ働き方をしています。その試行錯誤の過程と、家族と共に描くキャリアの歩み方に迫ります

【転機】 癌の疑いから決断したWEBデザイナーへの道

最終学歴を教えてください。

最終学歴は、大学卒で法学部法律学科です。

実は、もともとは国際系の学部に入りたかったのですが、実家があまり裕福ではなかったので、家から通えて、かつ特待生で受かって学費をかなり免除していただけた、という理由で選びました。

社会人としてのキャリアを教えてください。

大学卒業後、眼鏡などの小売業界の企業に入社しましたが、転勤をベースにステップアップする仕組みだったので、結婚を機に転勤ができなくなり退職。その後、大手総合人材サービスグループのIT関連企業を経て、常駐という形でコンサルティングファーム大手の役員秘書として働いていました。

Webデザイナーになろうと思ったきっかけは、役員秘書として働いてた時に、健康診断で癌の疑いがあった時に(結果的には違ったんですが)、「もし死ぬかもしれないなら秘書をしている場合じゃない」と強く思ったんです。

そこで、昔から好きだった絵やデザインを学ぼうと、辞める前にスクールに通い始めました
ただ、ちょうど転職しようと思ったタイミングで妊娠したこともあり、就職せずにそのままフリーランスという道を選びました。

【学習】 未経験からの学習と最初の案件獲得

利用された学習サービス・スクール、そこでどのような内容を学習されたか教えてください。

デジタルハリウッドのWebデザインコースを利用して、Adobeのツールやコーディングのスキルを学びました。最初のコースは半年間でしたが、その後WordPressの追加講義を受けたため、トータルで1年間学習しました。

フリーランスとしての最初の案件はどのように獲得しましたか?

最初の案件は、スクール在学中に前職の同期から紹介いただきました。

同期が転職した先の知り合いがホームページを必要としていて、私がデザインの勉強をしていることを知っていたので繋いでくれたんです。

案件の内容は漁業協同組合のホームページで、デザインだけでなくWordPressを使った実装まで担当しました。

【お仕事】 業務委託と個人案件の両立と母としての働き方

デザイナーとして、主にどのようなお仕事をされていますか?

現在は、業務委託個人案件という2軸で仕事をしています。

業務委託先は、2024年1月にポートフォリオを公開した後、2月頃にお声がけいただいた制作会社です。
週4日出社しており、フリーランスではありますが「時短社員」のような働き方をしています。

ここではデザイン業務だけでなく海外のチームと日本のチームをつなぐ調整役も担っています。コーディングができ、英語もある程度話せるので、両チームの橋渡しをしながら円滑にプロジェクトが進むようサポートしています。

また、週1日の個人案件の稼働日や夜中の時間を使って、個人クライアントからのウェブサイト制作の依頼も受けています。

普段の案件の獲得方法やその単価、どのような案件を狙っているかなど可能な範囲で教えていただけますでしょうか。

営業活動はしておらず、ありがたいことに人づてでご依頼をいただくことが多いです。

Webに詳しくない方にも寄り添いながらお仕事を進めていたことが反響をいただき、別の方へご紹介いただくこともありました。
制作物のクオリティだけでなく、前職の接客経験で培ったホスピタリティも評価していただいているのかもしれません。

単価については、クオリティや作業工数を見てバランスを取りながら自分で決めています

過去に制作した服飾アトリエのWebサイト

フリーランスとしての収入は、会社員時代と比較してどのように変化しましたか?

ありがたいことに最近、業務委託の仕事の収入が上がってきました
実際いくら税金などで引かれるかまだ正確にはわかっていませんが、会社員時代と比較して今の方が数万円多いくらいかなと思います。

子育てをしながらデザインの仕事を続ける中で、大切にしている考え方や工夫、働き方への影響があれば教えてください。

主に仕事」「育児」「成長という3つの軸に分けて考えるように工夫しています。

1つ目は、仕事を詰め込みすぎないことです。
夫が出張でワンオペになる時に子どもの体調が崩すこともあり、仕事を詰め込みすぎているとお客様にご迷惑をおかけする可能性があります。
そのため、無理のないスケジュールにするよう心かげています

2つ目は、定期的に夫と仕事の目標をシェアすることです。
お互いに成長したい気持ちはありますが、子どもの世話には時間が必要です。
どちらか一方に負担のしわ寄せが行ってしまうと、フラストレーションになってしまうので、どこに向かっているのか、どれくらい時間が必要なのかを必ず確認し、夫婦で話し合うようにしています。

そして3つ目は、仕事と成長を切り離すことです。
子どもの急な体調不良で夜間に仕事をすることもあり、そういう日が続くと目の前の業務をこなすだけで精一杯になり、学びを実感する余裕がなくなってしまいます。
だからこそ、「成長のための時間」は意識的に仕事とは別に設けています
そうすることで、子どもの体調不良で成長のペースが止まっても焦らずにいられますし、子どもと向き合う時間も大切にできます。

とはいえ、これも子どもが小さい今だからこその考え方であり、少しずつ手が離れていくようになったら、また違う形に変わっていくと思います。
その時々で家族で支え合いながら、お互いの成長を見守っていけたらいいなと思っています。

【メンター】活動初期の失敗を経て、村田さんとの出会いで得た確かな成長

メンターサービスを利用されたきっかけはありますか?

妊娠により就職が叶わず、それでも何もしないよりは何かした方が良いと思い未経験のままフリーランスになりました。

しかし、自分のスキルが足りない自覚があったため、より学びを深めようと思いメンターサービスを活用しました。

メンターサービスを活用して思った、学びや気づきはありますか?

メンターサービスを利用して気づいたのは、「トラブルは自分の知識不足が招く」ということです。

駆け出しの頃、お願いしたメンターの方は案件もくださる方でしたが、制作に必要な質問をしても返答がなく、無回答のまま「今日できていないと困る」と迫ってくることもありました。

無知で立場が弱かったため、無理な納期に応えるべく朝から晩まで子どもをおんぶし、泣きながらコーディングしたこともありました。
デザインも案件の取り方も学べず、ただ駒のように扱われただけでしたが、これも自分の無知が招いた苦い経験でした。

しかし振り返ってみると、早い段階でこの経験ができてよかったと今なら思います。

その後、現在もお世話になっているメンターの村田さんと出会い、着実にデザインのスキルを伸ばせている実感があります。
子どもが園に通い始めるまでは両立がとても大変でしたが、時間がたくさん割けないからこそ「誰から」「何を」「どのように学ぶか」にこだわることが大切だと学びました。

「続・勝てるポートフォリオフェス」などのイベントに参加されていますが、どういった経緯で参加され、参加したことでどのように自身の仕事に活きてくると思いますか?

このイベントは、メンターの村田さんから「こんなイベントがあるから、応募してみてはどうですか」とお声がけくださったのがきっかけです。
恐れ多かったのですが応募し、ありがたいことに当選いたしました。

いただいたフィードバックはどれも腑に落ちるものばかりで、現在一から自身のサイトを作り直しているところです。
努力の量をアピールするばかりクライアントの視点が圧倒的に欠けていたので、次のサイトではその点を大きく改善する方向で動いています。

ニシナ ナオミさんのポートフォリオサイト ※イベントのフィードバックをもとに改修中

また、意外なところでいうと、二次会に参加し、他のママさんの働き方に触れられたのも大きな収穫でした。

人それぞれ目標は異なると思うのですが、大きく成長するためには腹を括る必要があると再認識し、働く時間帯を大きく変えました
現在は子どもとの時間として大切にするために21時には就寝し、朝早く起きて仕事をしています
早ければ3時に起きたり、遅くても4時には起きて勉強か仕事をし、7時に子どもを起こすというサイクルに変えました。

その時々の状況に合わせて柔軟に働き方を見直しながら、家族と一緒に自分らしいペースで歩んでいきたいと思っています。

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