【Illustrator】画像の埋め込みとは？メリット・デメリットと活用法を徹底解説

Illustrator（イラストレーター）では、画像を埋め込むことで、ファイルを一つにまとめて管理しやすくすることができます。本記事では、画像の埋め込みとは何か、そのメリット・デメリット、埋め込み方法、そして活用法について詳しく解説します。

1. 画像の埋め込みとは？

Illustratorでは、外部の画像を「リンク」または「埋め込み」の2種類の方法で配置できます。

• リンク画像
  llustratorファイル（.ai）には画像のパス（参照先）だけが保存され、元画像が別途必要。
• 埋め込み画像
  Illustratorファイル内に画像データを含めるため、元の画像が不要。

2. 画像を埋め込むメリット

✅ ファイルを一つにまとめられる

埋め込みを行うと、元の画像ファイルが不要になり、Illustratorファイル単体で管理が可能です。

✅ 画像リンク切れの心配がない

リンク画像の場合、元画像が削除されたり移動されたりすると、Illustrator上で表示されなくなります。埋め込みならその心配がありません。

✅ 他のPCでも問題なく開ける

リンク画像を使用すると、別のPCでIllustratorファイルを開く際に画像が見つからないことがありますが、埋め込みならどこでも同じ状態で開けます。

3. 画像を埋め込むデメリット

❌ ファイルサイズが大きくなる

埋め込みを行うと、画像データがそのままIllustratorファイルに含まれるため、ファイルサイズが増加します。

❌ 編集が難しくなる

一度埋め込むと、Illustrator上で画像を直接編集することができなくなります（Photoshopのような画像編集ソフトで再編集が必要）。

❌ 元画像へのリンクを保持できない

埋め込み後は元画像へのリンクが失われるため、再リンクする場合は手動で再配置が必要になります。

4. 画像の埋め込み方法（手順）

【方法1】画像を新規配置時に埋め込む

1. [ファイル] → [配置] を選択。
2. 配置したい画像を選択。
3. 「リンク」チェックボックスをオフにして「配置」 をクリック。

【方法2】既存のリンク画像を埋め込む

1. リンクパネル（[ウィンドウ] → [リンク]）を開く。
2. 埋め込みたい画像を選択。
3. パネルメニューから [画像を埋め込み] を選択。

5. リンク切れが発生する原因と対処法

Illustratorでリンク画像を使用している場合、リンク切れが発生することがあります。これは以下のような原因によって起こります。

🔹 リンク切れの主な原因

• ファイル名変更・フォルダ名変更
  リンク元のファイル名やフォルダ名を変更すると、Illustratorがリンク情報を参照できなくなります。
• ファイルの移動・削除
  リンク画像が別の場所に移動されたり、削除された場合にリンクエラーが発生します。
• データ不備
  Illustratorファイルとリンク画像が揃っていない場合、リンクが切れてしまうことがあります。
• データサイズの問題
  リンク先の画像が極端に大きいと、開く際にエラーが発生することがあります。

🔹 リンク切れの修正方法

1. リンクパネルを開く（[ウィンドウ] → [リンク]）。
2. リンクエラーが発生している画像を選択。
3. [リンクを再設定] をクリックし、正しいファイルを指定。
4. ファイルが見つからない場合は、埋め込み画像に変更することも検討。

🔹 リンク切れを防ぐための対策

• パッケージ機能を使用
  [ファイル] → [パッケージ] を実行すると、Illustratorファイルとリンク画像を同じフォルダにまとめて管理できます。
• フォルダ構成を維持する
  リンク画像を移動する場合は、Illustratorファイルと同じフォルダ内に保管すると安全です。
• 再入稿時の確認
  印刷データを入稿する際には、リンク情報が正しく設定されているか事前に確認しましょう。

6. 画像の埋め込みを活用するシーン

✅ 印刷用データを作成するとき

入稿データでは画像のリンク切れを防ぐため、埋め込みが推奨されます。

✅ チーム間でファイルを共有するとき

リンク画像を管理しなくても済むため、複数人で作業する際に便利です。

✅ オンライン提出時にトラブルを防ぐ

コンテスト応募やクライアントへの納品時など、他の環境でも確実に開ける状態にしたい場合に有効です。

7. まとめ

項目	リンク画像	埋め込み画像
ファイルサイズ	小さい	大きくなる
編集のしやすさ	再編集しやすい	直接編集不可
リンク切れのリスク	あり	なし
PC間の互換性	低い	高い

画像の埋め込みにはメリット・デメリットがあるため、用途に応じて適切な方法を選択することが大切です。印刷や共有時には埋め込み、編集作業を続ける場合はリンク画像を活用するのがオススメです。