スマホでもPCでも見やすいサイトを作るには、画像や文字のサイズを自動で調整する必要があります。
本記事では、CSSで画像サイズや文字サイズを画面幅に応じて自動調整する方法として、
注目のclamp()関数や@media queryの使い分けについて、初心者向けにわかりやすく解説します。
画像サイズを自動調整する方法
① 基本的な設定方法
まず、画像サイズを画面幅に応じて自動調整するには、以下のようなスタイルが有効です。
img {
width: 100%;
height: auto;
min-width: 200px;
max-width: 600px;
}
- width: 100%:親要素の幅に合わせて画像サイズが変わる
- height: auto:アスペクト比を維持
- min-width:画像が小さくなりすぎないよう制限
- max-width:画像が大きくなりすぎないよう制限
画面幅によって可変させたい場合は、clamp()との組み合わせが便利です。
② clamp()を使った画像サイズの設定方法
img.responsive {
width: clamp(200px, 50vw, 600px);
height: auto;
}
値 | 意味 |
---|---|
200px | 最小サイズ(スマホ時) |
50vw | 推奨サイズ(画面幅の50%) |
600px | 最大サイズ(デスクトップ時) |
👉 画面サイズに応じて滑らかに画像サイズが変化します。
文字サイズを自動調整する方法
① clamp()を使った文字サイズの設定方法
h1 {
font-weight: 600;
font-size: clamp(1rem, 4vw, 2rem);
}
- スマホでは小さめ(1rem)
- タブレット〜PCで徐々に大きく
- 最大2rem(32px)を上限に制限
これだけで、メディアクエリを使わなくても文字サイズが滑らかに変化します。
② メディアクエリでの自動調整(比較例)
一般的な文字サイズの指定方法としてはメディアクエリを使用して、以下のように段階的にサイズを調整しているかと思います。
p { font-size: 14px; }
@media (min-width: 768px) {
p { font-size: 16px; }
}
@media (min-width: 1200px) {
p { font-size: 20px; }
}
メディアクエリなど、レスポンシブCSSの基本に関しては、以下の記事でチェック!
clamp()で同じ効果を得るには?
p {
font-size: clamp(14px, 2vw, 20px);
}
③ clamp() と media query の違いを比較
比較項目 | clamp() | @media query |
---|---|---|
実装 | 1行で完結 | 複数のブレークポイントが必要 |
サイズ変化 | 滑らかに変化 | 急に切り替わる |
保守性 | 高い(変数化も容易) | 規模が大きくなると複雑化 |
対応範囲 | サイズに最適 | 複雑なレイアウト調整も可能 |
clamp() 使用時のコツと注意点
- vwやvhとの併用が効果的
- font-sizeやwidthなど「スケーラブルな値」に適している
- IE11では未対応(現代のWebではほぼ問題なし)
- 途中の画面サイズで思ったサイズ感に調整できない!
途中の画面サイズで思ったサイズ感に調整できない!
例えば、画面幅900pxの時に16pxがいいなと思っていても、
clampでは最小と最大に到達する以外の時は常にサイズは可変で変わり続けます。
途中の画面幅でも固定のサイズを指定したい場合は無理にclampを使用せず、
media queryを使用するようにしましょう!
補足 : vw (vh) と rem について
vw(Viewport Width)
画面の横幅に対する割合を表す単位。
- 1vw = ビューポート幅の1%
- 画面幅に連動して「なめらかに変化」する
- フォントや画像サイズをレスポンシブに変えるのに最適
- ビューポートの高さの場合はvh (Viewport Height)
font-size: 4vw; /* 画面幅の4%で文字サイズが決まる */
注意点:スマホやタブレットなど、画面幅が狭い端末で極端に小さくなりがち。
rem(Root em)
HTMLのルート要素(通常はhtml)のフォントサイズを基準とした単位。
- デフォルトでは 1rem = 16px(ブラウザ依存)
- デザインの一貫性が保ちやすい
- アクセシビリティや可読性にも強い
font-size: 1.5rem; /* 16px × 1.5 = 24px */
注意点:固定サイズなので画面幅には連動しない
まとめ|画像・文字サイズをCSSで自動調整するならclamp()が便利!
- 画像も文字も、clamp()で1行で自動調整可能
- メディアクエリと比べて実装がシンプルで保守性も高い
- clamp()は今後のモダンなレスポンシブCSSの基本となり得ます
- 途中のレスポンシブでも固定のサイズ感を保ちたい場合は使用は控えるべき!
この記事の振り返りFAQ
clamp()だけでレスポンシブ対応は十分?
はい、サイズ調整に関しては十分可能です。
ただし、複雑なレイアウト変更には@media queryが必要です。
どんな単位を使えばいい?
推奨値にはvw(画面幅に対する割合)が使いやすく、フォントにはremとの併用がおすすめです。
CSSで画像サイズを自動調整する方法は?
width: 100%; height: auto; max-width: ○○px などのスタイルで、
画面幅に応じて画像サイズを自動調整できます。
clamp()を使うと、さらに滑らかなサイズ変化が可能です。
CSSで文字サイズを自動調整する方法は?
font-size: clamp(最小, 推奨, 最大) を使えば、画面幅に応じて滑らかに文字サイズが調整されます。
clamp()はどのブラウザで使える?
Internet Explorer以外のモダンブラウザではすべて対応しています。
y.kobayashi
2025.07.03 更新この記事を共有する
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